猫の吸収病巣について。歯科の診察に力を入れています。

猫の歯肉口内炎は「歯肉炎」とも違いますし
今回紹介する「吸収病巣」とも違います
当たり前ですが、それぞれ治療法が異なりますので
やっている治療が全く逆効果というものになりかねません
僕自身、口に関わる主訴に関していえば
酷くなければ、結構あやふやにしていました
何でもかんでも口内炎→抗生剤注射やステロイド、インターフェロンは間違いです
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今回紹介するのは「吸収病巣」という病気です
実はこれ、診断が非常に難しいんです
正確な診断は今の当院ではできません
なぜならこれが必要だからです
歯科用レントゲン
一拾い物の通常レントゲンとの違いを添付しましたが
一目瞭然かと思います
講義で聞きましたが
先ず、吸収病巣という概念がない獣医師がほとんどである
そして、診断できないから気付かれずに放置されることが多いということでした
歯科用レントゲン持ってない病院がほとんどですもん
うちも近々で導入したい
100万円カモンぬ
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先に吸収病巣の症状を羅列します
この辺りは歯の病気は全て共通なので
あまり目新しくはないと思います
・ 口を気にして前足が出る
・ 前足が汚れる
・ 歯をギシギシする
・ 顔を傾けてご飯を食べる
・ ドライフード食べにくそう
・ 柔らかいご飯ばかりを好む
などなどです
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改めまして
吸収病巣とは
歯質が吸収されて、骨様組織に置換されてしまう疾患です
上の写真で見ると歯が実態をなくしてしまう様に観察できます
2歳以下の発生はほぼないんですが
成猫の発生率は20~75パーセントという報告があります
先ずみなさん、猫の歯は何本ありますか?
正解は30本
横から口開いた時に
犬歯(牙)から後ろは上下とも33と覚えとくといいと思います
正確には上顎はもう1本あるんですが見えないのが普通です
つまり33ないとおかしいんです
愛猫さんのお口開けてみてみてください
犬歯のすぐ後ろの歯があるべき場所に
1本ない子いるんじゃないですか?
あっても歯肉が盛り上がったりしていたりしないですか?
それは吸収病巣かもしれません
確率は高いと思います
ちなみに吸収病巣は進行性の病変で
1本なると他の歯もなることが多く
何回も抜歯になるケースが多いです
先に書いちゃいましたが
治療の基本は抜歯です
もしくは歯冠切除です(根っこが溶けているので見えてる部分だけ除去します=抜歯と変わらないです)
原因不明なので
予防はスケーリング
ホームデンタルケア
ラクトフェリン含有のジェルの塗布
大気圧プラズマ照射器
こういうのが発売されるらしいです
よくあるレーザーとは全く違います
レーザー治療は逆効果と否定されています
動物病院さんのHP彷徨ってると
いまだに最新医療見たく掲載されてるとこありますが。。
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いかがでしたでしょうか
先ずは口が痛そう=歯肉口内炎ではないということです
無駄な内科治療を続けると
改善のしようがなくなるので
講義をしていた先生も警告されていました
しっかり診断してもらい
適切な治療を受けましょう